スポンサーリンク

Cities: Skylines II 開発日記 #12 Sound & Music

更新情報

Paradoxフォーラムにて

Cities: Skylines II

の開発日記#12が掲載されていますので紹介します。

今回の投稿の原本となったフォーラム内のページはこちらです↓

今回のテーマはSound & Music、ゲームの音声と音楽がテーマです。

以下パラドックス社フォーラム内の記事を意訳して紹介します。
下記の内容が必ずしも正しい翻訳とは限りません。
誤訳・誤解釈があると思いますがご了承ください。
正確な内容の把握はパラドックスフォーラム内の元投稿にてご確認ください。

Sound & Music(音声と音楽)

序文

皆さんこんにちは、お帰りなさい!
今日はCities:Skylines IIの音声と音楽の世界を掘り下げてみたいと思います。
音声は前作を踏襲しており、都市サービスの建物の音、大気の音、交通の音といったおなじみの基本要素がすべて盛り込まれていますが、これらの要素はすべて拡張され、深み、多様性、制御性が増しています。
環境音はゲーム全体の雰囲気や感性を作り出し、効果音はよりダイナミックに情報やサポートを提供します。

音声の後、Cities:Skylines IIのメインメニュー音楽がどのように作られたのかを探り、それからラジオについて見ていきます。
ゲーム内の音楽はすべてラジオ機能によって処理され、他のサウンドとともにCities:Skylinesと比較して拡張されています。
またこのゲームにはオーディオ・オプションが追加され、個人の好みに合わせてサウンドスケープを調整できるようになりました。

オプションのオーディオセクションでオーディオ体験を微調整する

Cities:Skylines IIの音声と音楽の詳細を説明する前に、この機能のハイライトビデオを以下で確認して、自分で少し聞いてみるとよいでしょう。

音声

都市サービスの建物は、Cities:Skylines IIにおける音声の焦点となっています。
ほとんどすべてのサービス建物とそのアップグレードには、建物の機能を反映する独自の音声がありますが、建物の運用状況に関するより詳細な情報も提供されます。
さらに、建物の音声にはランダム化された短いオーディオスポットと音声のループが追加され、興味深く変化に富んだ建物の音を作り出すようになりました。

Cities:Skylines IIでは更に大きな建物が含まれているため、一部の建物はダイナミックな音声の発信源になっています。
この音源はカメラの位置に反応するため、巨大なビル群の隅々まで建物の音声が適切に聞こえます。
建物の音声は、建物の機能性に基づいて時間帯や温度などの建物の状態にも反応し、新しく建物のアップグレードを行うことで、新たな建物の音声が追加されることがよくあります。
いくつかの例として、学校の建物は夜間は静かで、鳥のさえずりは気温が一定のしきい値を超えたときにのみ聞こえるなどです。
シグネチャー建物の音声は、建物タイプに基づいてカテゴリ分けされます。
各建物タイプには音声ループがあり、通常のゾーン化された建物とは区別されています。

カメラの位置に合わせて音声を調整することで、原子力発電所などの大きな建物のあらゆる場所において建物の音声を聞くことができる

環境
変化する背景環境のサウンドスケープを使用して、さまざまなタイプのゾーン、天気、その他の出来事に応じて、街全体の雰囲気に没入できるようにします。
世界の雰囲気は、常にカメラに追従するレイヤーで構成されており、あらゆる状況でしっかりとしたバックグラウンド音声を提供します。
シミュレーション条件を変更するとさらに雰囲気に影響します。
たとえば雨は目に見えるだけでなく、周辺環境の音にも影響します。

周囲の雨音は適切なムードを醸成するのに役立つ

音声グループ
Cities: Skylines IIの音声に関する課題は、音源の数と近音と遠音の遷移にありました。
その解決策として、カメラとの距離と音源の数が認識されるようになりました。
これは音声グループ化と呼ばれ、同時にアクティブになる可能性のあるオーディオソースの数を減らすように設計されているため、街中を移動する際に100台の車の音に圧倒されることはありません。
このゲームではカメラの位置と近くにある音源の数に基づいて、近い音声と遠い音声が切り替わります。
交通量の多い高速道路など、はるかに遠くから交通音を聞くことができます。
また音声のグループ化によって、ゾーン化された地区の音声が特徴的になります。
音が聞こえるかどうかは、問題のエリアからカメラまでの距離によって異なります。
例えば人通りの多い商業地域を遠くから観察するのと近くから観察するのとでは音が異なり、店舗数が直接音に影響を与えます。

交通の音は発生源から遠ざかるにつれて背景に紛れていく

車両・市民・動物
車や交通の音は、あなたの街の核となる部分であるため重視しています。
車両の速度に基づいて車両の音声が変更され、テーマに基づいて車両サイレンのスタイルバリエーションが自動的に選択されます。
最後に、市民のより個性化された雰囲気と整合させるために、市内から市民を選択すると小さな音声キューが再生されます。
これらの音声キューは、市民の年齢、性別、その時の気分を反映しています。
同様に市内の任意の動物を選択すると、選択した動物の種類に関連して小さな音声キューが再生されます。

ファイドは吠えるだけで噛みつかない(管理人補足:「Fido」とは英語圏における犬の一般的な名前。日本だとポチみたいな感じ。)

音楽

Jonne Valtonenはフィンランドの作曲家で、Jani Laaksonenと共同で 「Cities:Skylines」という音楽を作曲しており、彼が「Cities:Skylines II」のために制作したものを皆さんに聞いていただける事を楽しみにしています。
私たちは、Jonneにに音楽と彼の仕事とプロセスについて話をしてもらえるように頼んみました、彼から共有された話題は次のとおりです。

「ー最初の『Cities:Skylines』をJani Laaksonenと一緒に作曲してから既に何年か経っていましたが、Mariina Hallikainenから連絡があり、Colossal Order社にて新しいゲーム制作に取り組んでいると言われました。
彼らは、私が彼らの新しいゲームのために音楽を書くことに興味があるだろうか?と考えていました。
当然のことながら私は同意しました。
特にColossal Orderには、社内にとても親切で良い人たちが何人も働いており、私は非常に温かみのある以前のコラボレーションを思い出しましたー簡単に言うと最初Cities: Skylinesに向けて曲を作ったことは最高の体験だったのです。

この新しいゲームのために2つのピースを書くように頼まれました。
最初の作品はメニュー画面のためのもので、識別可能で、軽く、楽しいテーマを導入するものでした。
2番目の作品はより長いテーマの作品で、メインテーマだけでなく、時間帯ごとに異なるテーマや質感であることを特徴としていました。
ゲームに関するいくつかのビデオと大まかなコンセプトアートが送られてきて、そこからテーマづくりに取り組み始めました。
次のゲームも街づくりゲームになると言われたので、音楽のバックボーンとして次の要素を選びました。つまり、街づくりには時間がかかり、物事は徐々に進化するーそれを音楽に反映させたかったのです。

何度かの制作会議で考えられるテーマを紹介しました。
彼らは気に入ったようでしたが、まだそこまでの満足ではないと感じました。
いくつかの小さな修正があれば、満足可能であるということで合意されました。
テーマを少し修正して(そして実際にテーマは良くなりました)、メインテーマが関係者全員に気に入られ、承認され、すぐに音楽として使えるようになりました。
テーマには構成要素として使用でき、特定可能で、異なり、明確な動機セクションがあります。そして伴奏として、二次テーマとして、内なる声として、テクスチャーやリズムの参考として、あるいは基本的にどこでも使うことができます。
だからこそ素晴らしいメロディーを書くのは難しい事なのです。
ただメロディそのものをしっかり押さえるだけでなく、サウンドトラック全体に散りばめられるような、動機的なアイデンティティを持ったメロディを持つこと、そうすることでゲーム自体が(意識的か無意識的かは別として)ひとつにまとまり、ゲームに一貫したビジョンを与えることができるのです。

以下Jonne Valtonen氏の画像がありますが掲載は省略します。

プロセス
最初は第1作目と同じように曲を作っていました。
私はSibelius記譜ソフトウェアで作曲とオーケストレーションを行い、Jani Laaksonenはサンプルライブラリと巧みなミキシングサウンドで楽譜を変換しました。
Janiとは一緒に作曲の勉強をしていた頃からの付き合いなので、音符の扱い方がとても上手ですし、彼の意図もわかっています。
DAW(デジタルオーディオワークステーション)のサンプルテンプレートが大きくなると、プログラミングに没頭してしまう傾向があるので、この方法で作業する方が好きです。
こうすることで、私はより音楽と音楽の進行(水平方向)に集中することができ、Janiはよりプログラミング(サンプルライブラリ)とミキシングに集中することができ、すべてが完璧(垂直方向)に聞こえるようになります。
いくつかの微調整とデモの後、私たちはピースを完成させ、皆が喜びました。

私はたまたま、タンペレ・フィルハーモニック管弦楽団(TPO)向けにかなり大きな依頼曲をいくつか書いたばかりだったので、彼らとかなり良い人脈を持っていると何気なくMariinaに話しました。
地元のオーケストラがサウンドトラックをやってくれたらどんなに素晴らしいことでしょうか?!
私たちの地元のオーケストラは、たまたま非常に質の高い楽器であり、高い品質がにじみ出ているだけですので、最終的な結果は素晴らしいものになるでしょう!
私とJaniの仕事のやり方によって楽譜は基本的にすでに書かれていますので、オーケストラによる演奏は音楽を少し編集するだけで行なえます。
Colossal Orderもタンペレにあるので、Mariinaはこのアイデアにとても興奮し、私たちは共に出かけました!
TPOオーケストラのマネージャーに連絡したのですが、残念ながらスケジュールが合いませんでした。
市のオーケストラは非常に多忙で、プログラムが数年に及ぶこともあるので、取り組めるのは少し遠い話になるかもしれないとは思っていたのですが、それでもやはり少しがっかりしました。

Colossal Orderは(本物の)オーケストラに演奏してもらうというアプローチを引き続き気に入り、ヨーロッパ中にかなり多くのオーケストラの人脈を持っていたので、多少厳しいスケジュールにもかかわらず、予算に合ってこの2曲を演奏・録音できるオーケストラを探し始めました。
最後にプロデューサーのThomas Böcker氏の人脈で、非常に質の高いドイツのオーケストラを見つけることができました。
Staatskapelle Weimar(シュターツカペレ・ワイマール)は世界で最も古く伝統のあるオーケストラの一つなので、彼らとの録音に挑戦できてとても興奮しました!
楽譜とパートは磨き上げられ、指揮者のEckehard Stierや、録音とミックスを担当したGENUINレコーディンググループのHolger Busseに送られました。

このレコーディングは新型コロナウイルスの感染拡大によりコンサートホールが閉鎖され続けていた時期に行われたもので、本当にレコーディングが行われるのか少し心配でした。
幸運なことにいざ録音の時間になるとすべてがうまくいき、録音を行うことができました。
COVIDの渡航制限によりワイマールまでは飛べませんでしたが、エンジニアや指揮者とスカイプで密接にフォローやコメントを行いました。
リアルタイムでオーケストラを聴くことができるよう、直接オーディオリンクを持っていましたので、まるでスタジオのコントロールルームに座っているかのようでした。
全てを1日で録音しました(2x3hのセッション)が、オーケストラとレコーディングチームのクオリティの高さには驚かされました!

このような経緯でここに2つの曲があります。どうぞお楽しみください。
これらの作品を書くにはかなりの時間を費やし、個人的にはすべてがうまくいったことにこれ以上ないほど満足しています。
本物のオーケストラの演奏は、音楽に人間的なタッチで素晴らしく有機的な輝きを投げかけ、耳と気持ちを次のレベルに持っていくと思います。
このオーケストラには70人以上の演奏者がおり、それぞれの演奏者はそれぞれの楽器のマイスターであり、おそらく数十年にわたって互いの演奏を聴き合い、一体となって演奏してきた経験を持っています。
私の考えでは、このような事はサンプルベースの音楽制作において不可能ではないにしても、非常に難しいことです。

メニュー
メニューの曲では、開始のファンファーレが聞こえ、その後音楽が落ち着きます(その上に、一見でたらめな木版画が背景に建てられています!)。
メインテーマはクラリネットによって導入され、曲が進むにつれてテーマが『建築』されていきます。
次にソロ楽器が導入され、すべてがどんどん大きくなっていき、最後にはブラスのセクションがメインテーマを全開で奏で、大きく、明るく、荘重な音楽になります。
物事は落ち着き、建築の完成です。

ゲームをオンにするとすぐにメニューで音楽が開こえます。
これはゲームの最初の導入場面であるため、通常は構成に少し注意する必要があります。
私はより冷静に物事を始めるのが好きですから、プレイヤーがあまり何も気にせず実際のゲームに直接進みたいと思ったらそのように行うことができるようにします。
その一方でメニュー画面に残り、すべてのメニューを処理したい場合は、バックグラウンドで成長している識別可能で素敵なものがあるようにします。
もちろん最初にゲームをオンにしたときの一発目のファンファーレはありますが、それ以外の場合は、音楽が流れる前にゲーム自体に入る時間が十分にあります。
一般的に音楽は進行するにつれてますます注意を必要とし、ただ「もう遊びに行って!」と言うようになります。

メインテーマを紹介する前にファンファーレでメニューが迎えられる

テーマ
テーマの作品として、1日の時間帯ごとに3つの異なるテーマを紹介していました。
この作品はゲームで使用されるのではなく、異なるテーマや質感の素材を披露するために使用されます。
日中(メインテーマ)、夕方、夜のテーマとなります。
曲はメニュー音楽と同様にファンファーレで始まります。
ファンファーレの後、日中のテーマは非常に無邪気で小規模に始まります。
私はこれは建築の夜明けだと思っていたので、その上で音楽が作られるツール(=テーマ)を示したいと考えました。
音楽が進行すると、全体的な流れに加わる楽器が増え、時には独唱的に、時にはグループとして演奏されるようになります。
日中のテーマを壮大に繰り返した後、物事は落ち着きます。
さて夕方がやってきました。
少し神秘的で、物事が暗くなり始めると、チューバが低音を提供している間に、ホーンセクションによって導入された新しい夕方のテーマが流れます。
この神秘的ではあるがまだ明るい音楽が夕空を彩ります。
そしていつものように、夕方は夜に変わります。
ここでまた別のテーマが導入されます。その通り、パーティーの時間です。
パーティーは一晩中車を走らせ、その日の最大のテーマに直行します。
オーケストラ全体が祝典に参加し、すべてが盛大で祝祭的な華やかさで終わるのです!」

以下、楽譜がありますが掲載は省略します。

開発日記に参加し、Cities:Skylines IIに素晴らしいテーマをもたらしてくれたJonneに感謝します。皆さんが街づくりを行う際に曲を楽しんでいただけ事を期待しています。

ラジオ

Cities: Skylines IIには、無線機能のトップカテゴリーである2つの無線ネットワーク(放送局)があります。
これらのネットワークはステーションコレクションとして機能しており、最大の違いは楽曲間のコンテンツの種類です。
Public Citizen Radioは、ややクラシックやその他のポピュラー音楽寄りのパブリックネットワーク(公共放送)です。
パブリックネットワークは公共サービスのアナウンスを流していますが広告はありません。
Urban City Radioは、ポピュラー音楽をテーマにした商用ネットワーク(商業放送)です。
この商用ネットワークは広告を流していますがが、公共広告はありません。
各ネットワークの下にはいくつかのラジオ局があり、それぞれが特定の音楽ジャンルやスタイルを表現しています。
両局とも番組の中心となる司会者が番組のアンカーを務めています。
またこのゲームには音楽専用のステーションも用意されており、音楽を好みたい人はこのステーションを使うとよいでしょう。

ラジオパネルでお気に入りの局を選択する

音楽、トークショー、広告を流すだけでなく、新しいラジオシステムはシミュレーションの状況を考慮したより複雑な動作が可能です。
例えば、ラジオはニュースや公共サービスのアナウンスを流すことができます。
これは街の出来事や問題について、事実に基づいて情報を提供するクリップです。
災害が発生すると、プレイヤーはラジオから災害関連のアナウンスを聞き、現在のラジオ放送を中断します。
また早期災害警報システム建物が都市にあれば、そこから災害警報が発せられます。
その結果、ラジオは、あなたが自分の街で仕事をしている間の娯楽と、あなたが対処すべき重要な情報や、危機的状況を強調することの両方を提供することができます。

緊急放送はミニプレーヤーで見ることができ、そこから直接災害現場にアクセスできる

おわりに

Cities:Skylines IIに追加された新しい音声と音楽を楽しんでください。
市民を追いかけて街の雰囲気を体験したり、ラジオ局で建物のグルーヴに入ったり、メインメニューをうろうろしてゲームのテーマを楽しんだりできます。
今週の開発日記は以上ですが、また来週、Cinematic Camera & Photo Modeを紹介します。


今回の内容は以上です。

感想・まとめ

Cities: Skylines IIの開発日記#12を紹介しました。

今回は音声と音楽がテーマでした。
ただ文中でこれだけメインテーマ曲について力を入れて書かれていたのですが、紹介ムービーでもそれが聞けなかったのはちょっと残念。
それはゲームを買ってから聞いてねということなのかもしれませんが、これだけ気合の入った開発日記であれば、そのオーケストラのテーマ曲を日記を読んですぐにでも聞いてみたかったです。

さて、来週でCities: Skylines IIリリース前の開発日記も最後となります。
いよいよ発売が近づいてきましたね。

[画像引用元:パラドックスフォーラム内 Development Diary #12:Sound & Music]